POD/DMD analysis system using AI machine learning VFBasis
Application Examples
Capsule for atmospheric entry *1 | Car aerodynamics | Fan noise identification *2 |
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Cylinder wake vortex | Aircraft wing shock wave | Wind environment around buildings |
*1 JAXA's FBasis Example
*2 Panasonic Ecology Systems Co., Ltd. VFBasis Example
大気圏突入カプセルの後流渦における特徴構造とストローハル数、空力係数の関係を解明
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
大気圏突入カプセルは亜音速/超音速時に動不安定に陥りやすいことがよく知られていますが、そのメカニズムは十分に解明されていません。JAXAでは、その課題解決に向けて、VFBasisの基となっているJAXAのFBasisを用いて、カプセル後流渦構造の解析を行いました。その結果として、流れの重要特徴構造が抽出され、ストローハル数や空力係数との関係が明らかになりました。
※ VFBasisで、空力特性評価を実施するにはFV-UNS形式、もしくはEnsight-Gold形式の出力データを用いる必要があります。
※ 空力特性評価グラフ表示のために各空力係数の変動値算出機能を使用する場合、 FieldView®のライセンスが必要です。
車両空力解析における特性評価グラフの活用例 - 弊社ベンチマークテスト
VFBasisの空力特性グラフ機能(物体に働く流体力変動の大きさをモード毎に表示)を用いることで、従来のCFD解析では評価することが困難だった空力3分力への寄与度が高いモードの抽出が可能になりました。今回のケースでは、空間の流れパターンと車両表面に働く流体力との対比により、空力変動のメカニズムの考察が容易になり、その結果を形状設計へのフィードバックにお役立ていただくことができます。
空力特性グラフ評価を用いた車両空力解析のプロセス例
非定常CFD計算 → VFBasisの入力データを作成
VFBasisによるPOD/DMD解析
→ 機械学習処理による重要モード抽出、流体構造の再構築
空力特性評価グラフ
- 横力・揚力・抗力の変動の大きさを表す今回は揚力変動への寄与度が高い第4重要モードに着目
- 入力用ファイルはFieldViewと連携して作成
▲ 機械学習によって抽出された重要モードと空力特性値の変動強度
流れパターンの可視化(FieldViewを使用)
- 回転方向が交互に入れ替わる特徴的な縦渦が放出されていることを確認
▲ 中央断面における速度ベクトル(色は速度の絶対値)
流体力の可視化(FieldViewを使用)
上向きの力(赤)と下向きの力(青)の面積割合が交互に入れ替わっていることを確認
上下の空力変動が生じていることが明確になった
▲ ボディ表面に作用する揚力(Fz)成分の分布
流れパターンと流体力の可視化(FieldViewを使用)
空間の流れパターンとボディ表面の流体力の対比を行うことで空力特性のメカニズム考察が容易になる
形状設計へのフィードバックが可能
▲ 中央断面における速度ベクトル(色は速度の絶対値)&ボディ表面に作用する揚力(Fz)成分の分布
- ※ VFBasisで空力特性評価を実施するには FieldView-Unstructured(FV-UNS)形式、もしくはEnsight-Gold形式の出力データを用いる必要があります。
- ※ 空力特性評価グラフ表示のために各空力係数の変動値算出機能を使用する場合、 FieldViewのライセンスが必要です。
- ※ FV-UNS形式は、米国FieldView CFD者が知的財産権を所有するデータ形式です(VFBasisは認証済み)。
- ※ FV-UNSデータ形式を読み取る機能の個別利用は、研究目的であっても申請が必要です。
換気扇の騒音源における渦構造の抽出と渦発生位置・状況の明確化により、形状の改善へ
- パナソニックエコシステムズ株式会社様
低騒音化へ向け、実機音源調査を実施したところ、改善すべき音源位置をモータステーと特定しました。さらにVFBasisでの解析により、騒音源となる渦構造の抽出と発生位置・状況が明確になった結果、形状を改善すべき部位を特定し、その形状を最適化することで改善案を得ることができました。
HELYXによる換気扇ファンの非定常CFD解析 ファンを除く後流領域を解析対象としモータステーのみを配置しました。 |
VFBasis解析の入力データとなるCFD解析結果 モータステー後流の剥離流れは確認できます。 |
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DMD解析結果 |
重要な流体振動構造の抽出 |
騒音源となる渦発生位置の特定 |
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▲ 重要な流体振動構造(244Hz)における 圧力等値面 |
▲ モータステーから発生する渦構造の 圧力コンター(244Hz) |
3次元円柱の後流渦における渦・振動成分をモード毎に分離し、異なる特徴的構造を抽出
- VFBasisテュートリアル事例
3次元円柱の後流渦には、周波数の異なる複数の特徴的構造があり、周波数の異なる2種類の特徴的構造を抽出しました。
以下に示す圧力等値面については、左と中のストローハル数(St)は0.134 であり、右は約10倍長周期の 0.015 です(左は逆位相の2つを同時表示。中は単一位相表示)。
St = 0.134 の短周期構造では、カルマン渦とV字型の渦が後方に拡散します。一方、St = 0.015 の長周期構造では不規則な形状の渦が後方
に流れる全く異なる現象が確認できます。
▲ St = 0.134 の圧力等値面 (逆位相の2つを同時表示) |
▲ St = 0.134 の圧力等値面 (単一位相表示) |
▲ St = 0.015 の圧力等値面 (逆位相の2つを同時表示) |
後退翼上の3次元バフェット*の流体構造を明確化 - 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
3次元バフェットの研究は始まったばかりで、2次元とは違った現象が分かり始めている状況です。風洞実験を模擬したCFD大規模解析を行い、その結果をVFBasisの元となっているJAXAのFBasisで解析を実施した結果、流れ場は剥離が発生する翼中央付近で発生し翼端に伝播するバフェットと、この剥離による乱れに起因して翼端と翼付け根方向に伝播する、2つの流体構造に支配されていることが明らかになりました。
* ; バフェット現象 = 境界層と衝撃波が干渉して衝撃波が振動する現象。
1:1:2角柱の渦構造と重要モード - 弊社ベンチマークテスト
平原に高層ビルが建設された場合の流れをイメージした解析を行い、重要モードを抽出します。
角柱後方にはカルマン渦状の周期的変動と不規則な変動が混在した複雑な流れが発生すると予想されます。
ここにVFBasisを適用し特徴的な成分を抽出することで、さらに進んだ非定常流れの理解を目指します。
角柱周辺流れに対し、3つの重要モードを抽出した結果を示します。周波数ごとに、角柱後方から1列の渦が放出される場合と、2列の渦が放出される2つのモードが確認できます。また、2列のモードは角柱近傍に渦が留まっているのに対して、1列のモードは解析領域後方まで影響を与えていることが分かります。
構造物の有無で流れの特徴的な周波数が変化する場合があります。
VFBasisを使った解析により、問題となる周波数とその要因を探索し、新たな設計指針の創出につなげることができます。
応用例:ビル建設による風環境への影響 ・防風フェンスや植栽の配置方法の検討。 ・空力変動による問題を予防する市街地の設計。 ・空力共振も考慮した、建物耐風設計への適用。 |
適用可能な設計対象
VFBasisは、以下の設計における流体振動解析、流体騒音解析に適用可能です。
● 自動車、2輪車、鉄道車両、航空機体、船体
● 冷却ファン周り(ラジエター、空調機、PC冷却など)
● ビル、橋梁、各種構造物
● ターボ機械内部(ただし、VFBasisでは静翼部などの固定座標系のみ対応)
● ダクト、インテーク、各種配管系
● 各種産業機械(鉄鋼、プラント等を含む)
● 室内空調、車内空調
● 楽器、音響設備 等
固有直交分解(POD)、動的モード分解(DMD)利用事例
以下はVFBasisの利用例ではございません。POD, DMDを製品開発に利用するための例を発表した公開資料です。
POD, DMD について理解を深めて頂くために、関連した一般文献を下記に記載致しました。ご参考にして下さい。
DMD関連
(1) 自動車の揚力変動の発生源となる振動モードをPOD, DMDを用いて解析
坪倉誠,“大規模LES流体解析による自動車非定常空力予測と性能向上に関する実証解析”
Annual Report of the Earth Simulation ,Aplil 2016-March 2016, 105-107
(2) 吸い込み渦の主要動的モードをDMDを用いて解析
安 炳辰,平邦彦,能見基彦,大渕真志,“吸込水槽の乱流渦制御に関する研究”エバラ時報,No.255 2018-4,33-39
(3) DMDを用いて音響データの異常検知を解析
土肥宏太,武石直也,矢入健久,堀浩一,“動的モード分解を用いた音響データの異常検知”
The 32nd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2018, 1-3
(4) PIV(レーザー計測)で得られた実験データをPOD, DMDを用いて解析
塚前伊久磨,谷口優佑,下西舞,河田祐太朗,白戸博通,“矩形断面周りの流れ場解析へのDMD解析の適用”
第24回 風工学シンポジウム,2016 ,169-174
(5) DMDの理論を紹介
平邦彦,“直交分解による流体解析:2.応用”ながれ 30 ,2011 ,263-271
POD関連
(1) タイヤ騒音をPODを用いて解析
小石正隆,“回転するタイヤ周りの流体音響シミュレーション” NEC C&Cシステム SP研究会 第133回研究会 2014年11月11日
(2) PODを適用することでファン性能を支配するファン周辺の流れ構造を解析
小林裕児,“高効率低騒音冷却ファンの設計計算手法に関する研究”東京都市大工学部 機械システム工学科 平成26年度学位論文
(3) PIV(レーザー計測)で得られた曲がり管内部流れの計測データをPODを用いて解析
榊原 潤,“PIVによる乱流計測”ながれ 37 ,237-244
(4) PODの数理と特性を紹介
平邦彦,“直交分解による流体解析:1.応用”ながれ 30 ,2011 ,115-123