CFD(流体解析)可視化ポストプロセッサ FieldView

FieldView V15 の新機能

FieldViewは大規模CFDデータに対応した流体解析可視化処理ツールです。最新バージョンのFieldView 15では、グラフィック処理機能を強化することにより大規模データ処理がさらに高速になりました。またXDB専用ビューア「XDBview」を新リリース。解析結果の共有やCFDワークフローの構築が容易になります。

ライセンスフリーのXDBファイル専用ビューアXDBviewTMをリリース

FieldView 15 のリリースと同時に、新たにライセンスフリーのXDBビューアをリリースします。XDBviewは、


  ・ライセンスを必要としません。

  ・ライセンス契約なしで他のユーザーに提供することも可能です。

  ・CFD結果の可視化、共有に使用できます。

  ・FieldViewと同じ可視化処理を行っています。


ので、最高峰の無料ビューアと言えます。

XDBview画面


http://www.ilight.com/ja/products/xdbview

よりダウンロード可能です(ダウンロード申請時に名前、メールアドレス等の入力が必要です)

XDBファイル出力時のデータサイズの削減

XDB出力時の範囲指定を可能にしました。


CFD結果からXDB(FieldView Extract Database)ファイルへのデータ出力により結果ファイルのサイズ削減が行えますが、XDBファイル出力時に出力データの範囲指定を有効にすることでXDBファイルサイズのさらなる削減ができます。指定範囲は可視化面の表示においてThreshold機能で設定されたものが適用されます。Coordinate Surfaceの場合, X/Y/Z軸によるClip指定も適用可能です。「sweep」を使用してXDB出力を行う際にも、スイープした全ての面に対して範囲指定が適用されます。

車両空力解析の結果のXDB出力における範囲指定

▲車両空力解析の結果のXDB出力における範囲指定(データ提供:Altair社)

OpenFOAM 結果の読み込み性能向上

OpenFOAMの結果をダイレクトリーダーで読み込む際、より正確な表示を可能にすると共にパフォーマンスの向上とメモリー使用量の削減を実現しました。


以下の環境変数を設定することで、読み込み時に分割領域境界を無視できるようになりました。これにより、読み込み時間およびメモリー使用量の大幅な削減が可能ですので、OpenFOAMの結果を読み込む際には常にこの環境変数を設定することを推奨します。


    FV_OPENFOAM_NO_PROC_BND = 1


分割領域境界における値を、各境界上の隣接した格子点の値の平均として表示することで分割領域間での値の連続性を向上しました。また、物体表面と分割領域境界が交わる箇所では、物体表面での値を優先することで表示精度を向上しました。

OpenFOAMによるCFD解析結果

▲OpenFOAMによるCFD解析結果(データ提供:Applied CCM社)

画像レンダリングに使用するメモリーの削減

FieldView 15 ではVBOレンダリングの採用により、画像レンダリングに必要なメモリーを削減しました。


比較的新しいグラフィックカードとの組み合わせにより、パフォーマンスを落とすこと無くメモリー使用量が削減できます。古いタイプのグラフィックカードおよびドライバーをご使用の場合は、VBOレンダリングだとかえってパフォーマンスが低下する場合があります。その際は、以下の環境変数の設定によりFieldView14と同様にFBOレンダリングモードを使用することも可能です。


    FV_USE_FV14_GL_MODE = 1

VBOレンダリングの採用

▲VBOレンダリングの採用(データ提供:Daimler社)

カラーマップ関連機能の強化

カラー/白黒印刷の両方に適したカラーマップを4種類追加

新たに4種類のカラーマップを追加しました。


  ・「Hot」

  ・「Cold」

  ・「Achromatic Vision 1」

  ・「Achromatic Vision 2」


これらのカラーマップは輝度値が線形的に変化するので、より詳細な現象の理解に役立ちます。また同時に、白黒印刷された場合でも特徴を逃すこと無く表示できます。

カラー印刷時

白黒印刷時


49種のカラーマップに簡単アクセス


FieldViewのインストールフォルダに保存されている49種類、全てのカラーマップに直接プルダウンメニューからアクセス出来るようになりました。また、カラーマップのサムネイル表示によりカラーマップの選択がより簡単になりました。全てのカラーマップはFVXとPythonからアクセス可能です。

49種類のカラーマップに簡単アクセス

▲49種類のカラーマップに簡単アクセス(データ提供:Navistar社)

ユーザー定義カラーマップの自動読み込み

ユーザー定義カラーマップファイルもプルダウンメニューから簡単に選択出来るようになりました。FiledView起動時に、以下の2ヶ所のフォルダから有効なカラーマップ定義ファイルを自動的にスキャンし、プルダウンメニューに追加します。


    インストールフォルダ : $FV_HOME/data/colormaps

    ユーザーホームフォルダ: /FieldView/colormaps

マルチウィンドウ機能の向上

凡例や注釈表示機能の改善

マルチウィンドウ使用時における凡例や注釈の表示に関する様々な改善を行いました。この改善はインタラクティブ(GUI)操作時およびバッチ処理時の両方に適用されます。

マルチウィンドウ機能強化

▲マルチウィンドウ機能強化(データ提供:Navistar社、ANSYS社、Convergent Science社)

マルチウィンドウレイアウトのテンプレートのプリインストール

よく使用されるマルチウィンドウレイアウトのテンプレートをプリインストールしました。テンプレートはリスタートファイルとして提供されており、リスタートファイルを開くことにより適用できます。


    File > Open Restart > Multi-Window Layout Restart…

    参照フォルダ:$FV_HOME/fvx_and_restart/layout_restarts


下図のような1+2(横)のレイアウトや画面操作では作成の難しい等間隔の3分割のレイアウト等、様々なレイアウトリスタートファイルをご用意しております。レイアウトリスタートファイルはデータ読み込み前でも後でも適用することが出来ます。

マルチウィンドウレイアウト